2013年11月13日

第三回 ニコニコ学会 データ研究会へいってきた

かなり久方ぶりの更新です。

第三回 ニコニコ学会 データ研究会へいってきました。
ですが内容紹介などしません。
感想のみ。
興味ある人は、ニコ生とかで見ればいいんじゃない?

基調講演


開催案内を受け取った時は「基調講演、なんの人だろ?」とか思っていたんですが(失礼ですね)
講演の出だしになってやっと『大ヒットの方程式』の石井先生と気づきました。
石井先生の研究は下記の記事で知ってました。

[ACII.jp CGMから「感情」の動きを数式化! 大ヒットの方程式とは何?]

懇親会で「Twitterやブログでレビューを書き込めば売れ行きを操作できる」って話が上がってましたが、それって「ステマ」だよね。  
「ステマ」ってバレたら係数低い広告パラメーターってことなんでしょうか?  
なんか観測装置にノイズを入れてるだけで、そもそもの売上は変わらない気がしなくもない。

映画なら無料招待券、商品なら無料サンプルという現状効果が見えない(数値化できない)ところの評価ができそうです。  
あと、CMの出来とかを後で数値の評価で出せそうですね。1000万で作ったけど、500万くらいの影響しかなかったとか。

大ヒットさせることには使えない気がする
商品のポテンシャルまでしか売れなくて、どうすればポテンシャルギリギリまで効率よく売れるようにできるか

大学研究室の発表


学生の研究発表と教官の評論という構成だったけど、一般公開ゼミといったところでしょうか  
教員ではない参加者にとっては、目新しくてよかったのかな?
どうしても助手だった時の感覚で、この辺が学術研究として甘い的な感想しか出ない
そういう趣旨の会ではないのでね。

ライトニングトーク


IT系の勉強会と同様に、ネタあり、ガチありのバラエティーに富んだもの

発表形式について


学会発表形式のプレゼンは、面白いと感じたんですかね?
分析に興味がある(わざわざ会場まで行く人)にとっては興味深い内容でしたでしょうが、ニコ生を見てる人はどうだったんでしょう?

データ収集の苦労話・工夫(根性・機械含めて)、データのビジュアライゼーション(グラフとか)、データへの評論は分析しない人でも面白く聞ける気がしますが、分析手法の話はつまんないでしょうね(〜法をつかってパラメーターがこうなった的な)

ニコニコ学会βは、一般向けプレゼンの方向に向かっているようですが、データ研究会は同好の士の会といった感じ(現状では)

運営的には一般の人にもっと知ってもらいたいということなのですが、ネットのコミュニティや同人イベント、ニコニコのジャンルとか、同好の士の集まりに一般と言える人が参加しだすと、コミュニティーにあった暗黙のルールが破壊されでトラブルが発生するんですよね。
ニコニコ学会βは、各参加者に別にコミュニティーがあって、一般向けのプレゼンにニコニコ学会βに参加してる感じがします(あまり根拠ない推測ですが)

データ研究会は同好の士向けで、一般向けにはニコニコ学会βでも発表する流れがいんじゃないかなぁ

これまでの発表傾向はこんな感じ

  • データのビジュアライズと解説・評論
  • サービスを作ってみた
  • 分析手法を試してみた

今回はこれに研究発表が増えました。

分析の手法自体のレクチャーとか
データ分析をどんなことに使ってるか事例(自分がやってるのではなく一般的な)を発表するのもありかもね。

雑感


@nobiさん データの収集とタグのクラスタリングの話

タグのクラスタリングから名寄せの自動/半自動化はできないかなぁ

川畑さん「ビッグデータとしての江戸の川柳・浮世絵へのアプローチ」

よかった発表へのアンケートで1位になるだけあって、研究のテーマ、手法、結果共に良かったです。
さらにプレゼンの構成もわかりやすい
素晴らしかったです。

あんちべさん 「バスケット分析で最萌え属性探究」

ロリ簀巻き
失敗でしたって落ちで終わりましたが(あんちべさんは詳しい方だと思うので実際に失敗なんでしょうが)これから流行るものを発見する場合も

分析対象の独自点の考慮をしない
100%分析手法(ロジック)のみに頼る
サンプリングではなく、対象データを全件分析 

上記の時、人がまだ見つけていないものを機械が先に見つけてしまう時がある。
よく売れる商品の分析をしてる時ロジックはこれは売れると出力しますが、実際の売上データを見ると売れてない。
でも、しばらくすると売れ出すこともあります。
ノイズを拾ってる時も多々ありますが。

つまり、ロリ簀巻きはこれから流行る

ビックデータと従来の分析との違いって、
従来の分析は人の気づきを元に出発しますが、
ビックデータの場合は、分析手法のパラメータを自動調整とか、総当りで調節して、人の気づき無しで結果まで辿り着く。
そこまでやって、こそのビックデータだと思うけどね。

伊予柑さん「最近のお仕事データ分析」

イベントチケットの歩留まりの話がありましたが、
石井先生のヒットの方程式そのままの話ではないんですかね
イベントチケット入手時からイベント当日までどれくらい意欲が減少するかが歩留まりかと

懇親会


本宮さんと「初音ミクは不思議なコンテンツだよね。」って話をしてました。
あといろいろ、懇親会もかなり楽しめました。

次回もまた参加したいと思います。
仕事が忙しくなくて、発表の準備ができればいいなぁ


以上、ニコニコ学会 データ研究会の間接的コミュニケーションパラメーターでした。

posted by てんじゃ at 17:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

2011年12月06日

コメントというパワー

ニコニコ学会に期待を寄せるということは、
やはりそれだけニコニコ動画に期待をいたかせるだけの素地があるということだと思います。

ニコニコ動画のコメントシステムは、
動画のタイムラインとして、リアルタイムであり、
各視聴者と動画投稿者のそれぞれは非リアルタイムなのです。
動画配信は非インタラクティブですが、
コメントというシステムはインタラクティブです。

そういったことが、特殊なコミュニケーション空間を作り出してる。

その中で、ランキングというまとめを作る人が出て、
コラボレーション、合作が生まれ、
イベントを企画する人が現れます。

そうすることで、視聴者と投稿者というコミュニケーションのみならず、
投稿者と投稿者、視聴者と視聴者といったコミュニケーションが生まれます。

そうしてニコニコ動画は、皆が参加者として盛り上がって来ました。

私は、ニコニコ動画はコラボレーションプラットフォームとして、もっと機能が増えればいいと期待していました。
でも、合作を作る支援機能どころか、イベントの参加を取りまとめる機能すら増えませんでした。


それでよかったのかもしれません。
コメントというコミュニケーションのパワーと、
コメント”しか”ないというパワー。

足りない、だから、作り・がんばり・考える。
簡単だったら、満たされていたら、皆やらなかったかもしれない。

足りないということが、パワーなのかもしれませんね。
posted by てんじゃ at 02:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

にこけん!

またもやニコニコ学会の話です。
DISり記事ばっかりでいかがなモノかと思いますが、
基本的に運営者がどこがいい点なのかはアピールするはずなので、
良い点を取り上げたりはしません。


ニコニコ学会、そもそも目指すものは『学会』なのかな?
『学会』という言葉はわかりやすいけど、それゆえにイメージを植えつけてしまうものだよ。
『学会』とは違うものを目指すなら、違う名称でよかった気もする。『ニコ研』とか。


今回は、前にすっ飛ばした「研究者のWin」の話。

以前、私は職業として研究をしていました。その視点で話をします。


他の人の意識を聞きたいのが、
「業務時間を使ってニコニコ学会のプレゼンの準備をし、公費からニコニコ学会の参加費と交通費を出す」ことについて、
どう思うか?

私はもちろんニコニコ学会に税金を使ってもらってもOKと考えてますよ。他の人がどう考えるか気になるところ。
公費払うために必要な書類は印刷可能な状態で提供して欲しいな、とは思いますが。


話を戻しまして、「研究者のWin」の話へ。

何人かが言っていた意見で、『ニコニコ学会に参加することで研究に対する意見が集められる』
行動分析系の研究ならそうだと思う。見てる人が自分の体験を言うことで、有効な意見が集められると思う。
それ以外の研究ならどうだろう?
異なる専門家同士の意見交換なら有用だろう。
でも、一般の人の意見をもらって役に立つのだろうか?
こう思うのは、私がシステム開発の仕事上で、一般の人の意見に振り回されて、システムぐちゃぐちゃにしてる人をたくさん見ているからかもしれませんが。


もう一つ、他の人が言っていた意見で『ニコニコ学会で研究を広報することが出来る』
うーん、これはニコニコ学会の利点で、「研究者のWin」では無いと思う。

研究者にとって、目標(ゴール)は「研究が進むこと、発展すること、応用されること」だと思う。
人によっては、研究とはひたすら進めることで、ゴールなど無いという人もいるかも知れませんね。

生活の為に研究をしてると言う人は少ないと思います。
好きだから、仕事として研究をしてると。

好きな事だけをしていたい。
働きたくないでござる。
事務書類も、研究費の確保の作業も、しなくていいならしたくない。
でも、やらないと研究が出来なくなるからやる。
広報活動もそう。必要なことだとは分かっている。
だから研究のマイナスにならないように力をかける。
でも、Winではないよね。

好きだから作る・歌う・描く、
公開して評価されたら、うれしい・楽しい。
でも、プロだったら?仕事だったら?

研究のプロが仕事を公開してるのだよ。
他のプロのように、人気が出るとか、売れるとかいったWinが研究にもないとダメではないかね。
posted by てんじゃ at 02:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

2011年12月01日

「仲間内」と「お客」

ニコニコ学会関係の話題は前回でおしまいにしょうと思っていたのだが、他の人の文章を見て、そもそも前提の所で意識が違ったのだなぁと思い立ったので、もう少し書きます。


私は「研究」を「職業」としてやっていた時期があります。
その為、今でも複数の学会員でもあります
(そろそろ来年度の会費の請求があるのでお金が苦しい)


学会について知らない人のために、極端な話をしますと、
学会は、基本、仲間内の会です。
同じ専門の研究をする人が相互協力する為の互助会なのです。
だから、会員制で、運営は会員の中から選任です。
その為、運営は会員の代表ということで、運営責任は会員全員が等しく持ってると言えます。


ニコニコ学会はそういう体をなしていません。
特に気にしているのは、ニコニコ学会は一般視聴者と、一般参加者が登場するということです。

「運営」と「参加者」が、同じ趣味をもつ人達で「提供側」と「参加側」という関係の場合は、皆で協力してうまくやって行きましょうという方法で良いです。
「参加者」が「興味を持った一般の人」の場合、「運営」と「参加者」が、「店」と「客」という関係になります。
これは、金銭のやり取りが発生しなくてもこのような関係に強制的になります。
空気というものがそうなってしまうんです。

例えば「昔のコミケは…」で語られる話は、上記が根幹にあるし、
同人サークルやニコニコ動画内のユーザ発のイベントとかも、参加者が増えていくと、
参加者が「同じ趣味をもつ仲間」から「客」に変質するので、運営者がそれを意識にないと大きなトラブルに発展します。


ニコニコ学会は、ニコニコ動画と連動してる上に、ユーザー参加型を表明している以上、学会と同じルールで
進めるのはいかがなものかと思います。
posted by てんじゃ at 11:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

2011年11月29日

エンターテインメントとしての研究

ニコニコ研究会設立が設立され、第1回ニコニコ学会βシンポジウムが開催されるそうです。
面白そうなコンセプトですが、このシンポジウムの5thセッションは酷過ぎる。

この発表仕様で5thセッションをやる意味あるのかな?コンセプトにかすりもしない仕様なんだけど。
この仕様なら発表用の動画作ってニコニコ動画で公開したほうがかなり良いとおもいますが。
エントリーフィー取るんだよね?

設立して最初なんだから、提言とそれにまつわる講演やって、次回からこういう方向で一般参加募って進めていきますって発表で終わりでよかったじゃん。


では、本題。

上記の学会で登場する人物は、学会運営、ニコニコ動画運営、研究者、視聴者だと思います。
ニコニコ動画運営、研究者、視聴者がそれぞれWin-Winの関係にすることが出来なければ、コンセプトがどれだけ立派でも数年後には消滅するでしょうね。

ニコニコ動画運営のWinははっきりしています。
コンテンツへのアクセス数が増えること。そしてそのアクセスの一部が収益が上がるコンテンツへ誘導されること。

研究者のWin、これは相当難しいです。
それを設定することが出来れば、ニコニコ学会はうまくいくと思います。
研究者じゃないと実感わかないと思うけど。

視聴者のWinは、見て面白いかどうかでしょう。
今回はこの辺の考えを書こうと思います。


研究というコンテンツに対しての視聴需要は存在すると思います。
テレビでも、宇宙、生命、考古学といった研究の特集番組はある程度作成されてます。
確かにニッチな市場かもしれませんが、前回のエントリでヘッドとかテールの話をしたように、ニッチなコンテンツを生産することに対するマイナス点はかなりなくなってきています。
エンターテイメントなコンテンツとしての研究というのは、”あり”だと思います。

じゃあ、研究発表をそのままコンテンツにすればいいかというと、それはNOです。
その専門の研究者しか、研究発表を面白いとは思えないでしょう。

一般の人の殆どが面白いと思えるコンテンツを作るのは大変です。
でも、ニコニコ動画の視聴者が面白いと思うコンテンツを目指すなら敷居が下がります。

ニコニコ動画は、テンポとツッコミどころがポイントです。
基本構成は、起承転結または起承転転結です。
動画開始15秒から20秒くらいに最初のツッコミどころがあるのがベスト。
開始直後は避けたほうがいいですね。再生ボタン押した直後は操作中だったりで見逃しますし、再視聴時のコメントが集中したりとあまりよろしくない。
その後、20秒から40秒間隔くらいにツッコミどころがあると良いです。
ツッコミどころは、「ほー」とか「すごい」とかでもよく、単純に画面内に出てくる小物にネタを仕込んでおくのも良いです。
20秒以内に複数のネタを入れるのは、ツッコミが間に合わなくなるので使いどころが難しく上級者向けです。

あとは、テンプレート似合わせる。いわゆるお約束展開というやつです。
テンプレートに合わせたってことに対するツッコミどころが発生します。
ニコニコ技術部の動画には、こういったテンプレートパターンが幾つか存在しますよね。

で、テンプレート通りに進んでいると思わせといて、視聴者が次の展開を想像したところで、予想外の展開をしてあげると盛り上がります。
まあ、1動画につき1箇所くらいですね。

動画の再生時間が8分を超えらあたりから、視聴の際の敷居が急に高くなってきます。
動画の長さが長くなりそうなら複数の動画に割るのも手かと。

私の感覚ではこんな感じです。


私のデータ分析の話はほとんどブログで文章にしかしておらず、動画にはしてないんですけど、動画にして面白く見せるのは難しいですね。
まだ、ブログのほうが面白く見せることができるんじゃないかと思ったから、動画にはしてないのです。


「趣味」で、データ分析とか研究をしてるのですから、ただ発表するのではなく、視聴者が「面白い」と思う形で発表したいですね。
posted by てんじゃ at 19:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記

2011年11月17日

ニコニコ動画カテゴリ考

ニコニコ動画のカテゴリに関する会議があったようですね。

システムリリース作業中で見てませんでしたが。
一部のTwitterのツイートを見てるといまいちな感じがします。


そもそも、ユーザーから機能の希望を収集してはいけないよ。
ユーザーからの要望をストレートに実装して、良くなった試しなんて少ないんだから。
ユーザーの使い方の収集をしないと。
それも平均・標準のユーザーを作るのではなくて、特定のタイプのユーザーモデルで収集する。
その使い方を見て補完する機能を作るべき。
あとは工夫して使ってるユーザーの使用方法を機能として取り込む。



根本的なところから始めましょう。

ランキングが、ダメ(使いにくくなった)理由は何ですか?

投稿する動画のジャンルが多岐わたり、さらに細分化され、ニコニコ動画の投稿される動画の層が厚くなった。
その為、それぞれユーザーが見たいと思う動画が異なってゆき、分散していった。

自分はそういうことだと思ってます。


一時期に流行ったロングテールという言葉があります。
Wikipediaでの説明→ロングテール

ヘッドとテールという言葉で表すと、ランキングに表示される動画はヘッドです。
でも、テールが太くなったということです。

一定期間の集計結果というランキングは、基本的にヘッドを抽出するものです。
ランキングをどう改良しても、テールをうまく抽出することはできません。ランキングとは、ヘッド向けの機能なのですから。

テールに対して、有効な機能はマッチングだと言われています。

ニコニコ動画のカテゴリの議論はそもそも方向が間違っているんじゃないかと思うんですよ。
ユーザーの要望に対して、ランキングでどうにか応えよういうのに無理があると思いますね。



ユーザーに機能の要望を聞いてはいけないと言ったのは、こういうことです。
ユーザーは、今までうまく行ってたことがうまく行かなくなった場合、既存のものを改良することで対応可能だと考えます。
既存のものではそもそも対応できなくなっている場合もあるので、ユーザーに「機能」の希望は聞かず、使いづらくなった点や問題点を聞きましょう。
必要な機能を考えるのは、システム屋の仕事です。
posted by てんじゃ at 09:32 | Comment(1) | TrackBack(0) | 雑記